翻訳家の資格
国家資格はもちろん、多くの認定資格もありますが、この資格があるから翻訳家といえるというものは、今のところひとつも存在していないのが実際のところです。
なぜいかというと、翻訳という仕事は分野が多岐にわたっており、翻訳会社によって力を入れる分野が異なるということがひとつの理由です。
またもうひとつの理由としては、翻訳は多くの場合、翻訳会社各社が独自に行っているトライアルに重きが置かれているため、資格があっても、トライアルで合わなければ仕事がもらえないという状況だからです。
このトライアルでは、翻訳家の実力ではなく、翻訳会社との相性が試されるものとなっています。
ですから、今後も資格に比重を置く体制にはならないと考えられます。
とはいえ、やはり翻訳家としての資格があった方が、翻訳の実力が一定のレベルに達しているということがわかってもらいやすいものです。
翻訳家の主な資格としては、次の3つがあります。
まずは、翻訳実務検定(Translator Qualifying Examination;TQE)といわれるものです。
これは、民間の翻訳会社サン・フレアグループが独自に設けている翻訳家の資格で、この資格の目的は、商品として品質の高い翻訳を、限定された期間内に確実に生産できるという人材を発掘し、その活躍の場を提供することとなっています。
試験のレベルとしては、1級から5級まであり、1級から3級までを合格のラインとしています。
翻訳実務検定の受験者層は20代~40代が多く、6割が女性で占められています。
科目は12科目あり、そこから専門分野1つを選択して受験するようになっています。
それぞれを和訳、外国語約の両方、または和訳のみ、外国語のみの受験ができます。
審査方法としては、3名の審査員が採点した平均点により評価されるようになっていて、特に翻訳する分野の専門知識が豊富にあるかどうかが重要なポイントとなっています。
翻訳実務検定の特徴は、数日をかけて課題を翻訳するという点です。
3級以上の合格点を取ると、サン・フレアアカデミーで公衆や実務経験を経て、仕事を任せてもらえるようになります。
翻訳会社 どの翻訳会社にするか迷ったら迷わずお選びください。
翻訳家としての資格試験
続いての翻訳家としての資格試験には、JTA公認翻訳専門職資格試験があります。
社団法人日本翻訳協会(JTA)が主催している認定資格の試験で、以前は翻訳技能認定試験といわれていましたが、2008年に新たにJTA公認翻訳専門職といわれるようになりました。
この改定により、ビジネスコミュニケーションにふさわしい翻訳技能の確立と向上を目指し、語学はもちろんのこと、管理能力やITスキルについても評価するようになりました。
この翻訳専門職資格試験の特徴は、全世界のどこからでも受験できるインターネット方式の資格を採用しているということです。
ただし、言語は英語と中国語の2ヶ国語に限られています。
世界レベルの翻訳家の資格ということで、難易度の高い資格となっています。
また、第1次審査と第2次審査があり、第1次審査では科目試験、第2次審査では翻訳実務経験による審査になります。
これは、実務に即した資格であるということを意味しており、幅広い活躍が可能となる資格といえます。
その他、社団法人日本翻訳連盟が主催しているJTFほんやく検定というのもあります。
これは、実務翻訳における翻訳家の育成と新たな人材発掘を目的としている資格で、実践的な実務翻訳の技能を測定します。
つまり、商品として通用する翻訳かどうかということです。
評価は、基礎レベル(4、5級)と実用レベル(1~3級)に分かれていて、実用レベルでは、日本翻訳連盟(JTF)に加盟している約100社の翻訳会社から、実際に仕事を獲得できる機会が提供されることとなっています。
以上の3つの資格は、あくまでも翻訳に関する資格のうちの一部で、他にも多数の資格があります。
多数の資格がありすぎて、翻訳の資格の質を落としているということもあります。
今後、この翻訳の資格がどのようになっていくかは、注目すべき事柄といえるでしょう。