翻訳の今後
機械翻訳は、コンピューターが開発された1940年代から研究が始まった分野で、1950年代には世界で最初の機械翻訳実験が行われるようになりました。
ちなみにこの最初の翻訳実験では、ロシア語を英語にする変換が行われたようです。
日本でも、1959年には電気試験所によって、日本で最初の機械翻訳専用機「やまと」が開発されています。
そして1960年代に入ると、翻訳の目標としてFAHQT(Fully Automatic Useful Translation)と呼ばれる略語を作りました。
これは完全な自動的高品質翻訳を目指したものだったのですが、現実の研究を重ねるにつれて、この目標はきわめて現実的ではないということが判明してきたため、より現状に即している目標に変更されました。
それがAFUT(Fully Automatic Useful Translation)で、完全自動の役立つ翻訳というものです。
これによって、翻訳家に対抗できるような機械翻訳を開発するというのではなく、平均的なユーザーが役立つようなリアルタイム翻訳を提供するのに十分なシステムを構築することとなりました。
その後翻訳を世界的に開発していこうということも出現してきて、1991年には日本機械翻訳協会が設立されましたし、1992年にはアジア太平洋機械翻訳協会も確立されました。
その後1995年になると、1万円を切るような機械翻訳が出現したりしました。
しかし、そんなに研究を重ねてきていても、機械翻訳をした文章の品質は高いとはいえない状況です。
そんな中、1990年代半ばから実務翻訳の世界では、機械翻訳ではなく、「トランスレーション・メモリ」と呼ばれるタイプの翻訳できるソフトが注目を集めるようになってきています。
これは、以前の機械翻訳とは異なり、翻訳データベースに既存の翻訳を、原文と訳文をペアにして、文章タイプで蓄積していくというものです。
特にTradosと呼ばれるツールは有名で、当初からこのソフトが使用されていました。
これは、過去の翻訳に同じ文章があったり、似ている文章があったりすると、翻訳データベースの中から自動的に呼び出されるようになっていて、その文章の一致率に応じて、翻訳の料金がかかるというシステムになっています。
もちろん、過去のデータを使ったときと現在の状態が同じとは限りませんので、文章の構成がある程度は必要とされますが、機械翻訳によるまったく意味の通じない翻訳よりも、少しはまともな文章になっていく可能性は高いです。
ただ、過去に蓄積された翻訳の品質が悪かったとしたら、それを参考にした翻訳もまたおかしな翻訳になってしまうので、それには注意しなければなりません。
自動翻訳サイト
現在では、この「トランスレーション・メモリ」を手軽に利用した翻訳として、Googleの自動翻訳サイトがあります。
もちろん、機械翻訳は役に立たないということは決してなく、ある程度表現の仕方が一定で、単語の数が限られているような分野では非常に役に立ちます。
例えば、株式市場や天気予報などです。
今後は、機械翻訳がトランスレーション・メモリも利用しながら、完全にプロムラミングできる翻訳システムが作り上げられていけば、より機械翻訳は原文に適したものが出来ると思われます。
ただ、開発はいつになるかわかりませんが。
しかし今後も発展、研究していく分野ではありますので、注目していくと非常に面白いと思います。
特に機械翻訳が多くのユーザーに待ち望まれている自動翻訳サイトでは、マイクロソフトをはじめ各サイトの研究チームがこぞって開発を進めています。
今後に大いに期待です。